放射線科(部門紹介)
1. 放射線科の特色
放射線科は画像診断部門、治療部門に分けられます。
画像診断部門は、CTやMRI、核医学検査などを用いて身体各部の状態がよくわかる画像を得ることで、病気の詳細な評価や診断を行い、適切な治療につながるように依頼科の先生方と連携して診療を行っています。
治療部門は高精度放射線治療装置(リニアック)を使って様々ながん、悪性腫瘍などに対する照射を行っています。がんを治すための根治照射や、がんによるつらい症状を和らげるための緩和照射、再発などを予防する予防照射などがん治療における様々な段階での放射線治療を行っています。
これらの装置は院内からの依頼だけでなく、地域医療機関からの依頼も承っております。地域医療機関からの検査依頼については読影レポートを検査後にお渡しすることも可能ですので、ぜひご利用ください。
2.スタッフ紹介
所属医師 | 専門医など |
---|---|
坪倉 卓司(非常勤) | 日本医学放射線学会 放射線治療専門医 |
山下 富夫(非常勤) |
診療放射線技師10名と放射線助手1名が在籍しています。(2021年6月1日現在)
3.医療機器
FPD搭載X線撮影装置 2台
320列CT装置 1台
3.0テスラMRI装置 1台
バイプレーン血管連続撮影装置 1台
診断用CT搭載型SPECT装置 1台
FPD搭載X線TV装置 1台
FPD搭載乳房X線撮影装置 1台
骨密度測定装置 1台
ポータブル装置 5台
移動型手術室用透視装置 1台
放射線治療装置 1台
放射線治療計画用装置 1台
4.各装置の紹介
X線撮影装置、ポータブル装置
主に胸部や腹部、全身の骨などに対してX線撮影(レントゲン撮影)を行います。
検査時間は比較的短く、負担の少ない検査になっています。
患者様の状態に合わせた検査を心掛け、撮影の介助やできる限り負担の少ない姿勢での撮影を行っています。
移乗や検査室までの搬送が難しい患者様には病室や手術室や救急室でのポータブル撮影も行っています。
CT装置
CT検査では寝台に寝てもらい、ガントリというドーナッツ状の装置の中を移動することで撮影を行う検査です。
ガントリの中にはX線管球とX線の検出器が搭載されており、人体の連続的な断面像を得ることができます。それらを利用し三次元画像を作成することも可能です。
また検査によってはより病気や血管を描出することが可能な造影検査をする場合もあります。その場合、注射して血管から造影剤を入れて検査を行います。
MRI装置
MRI検査では寝台に寝てもらい、大きいトンネル状の装置の中に入っていく検査です。
大きな特徴として、強い磁力と電波を利用して人体の各組織の水素原子を画像にする検査です。またX線を使用しないため被ばくがない検査です。
強い磁力が発生している検査室なので衣服に金属がないように更衣を行ってもらっています。また体内金属(人工関節、インプラント、動脈瘤クリップ等)や体内デバイス(ペースメーカー)入れ墨(タトゥー)があれば問診時にお伝えください。
電波を使用することで検査中、ゴーンゴーンと工事現場のような大きな音が鳴ります。人によってはうるさいと感じる方もおられます。
トンネル状の装置は少し狭い空間になるため閉所が苦手な方は事前に申し上げてください。
血管連続撮影装置
一般的にはカテーテル検査やIVR検査で用いる装置です。
通常のX線透視撮影では血管を描出することができませんが肘や足の付け根(鼠径部)からカテーテルという細い管を血管に挿入し造影剤を入れることでいろいろな角度から血管の状態を確認することができます。また血管を描出するだけではなく、カテーテルを用いた血管内治療も行えます。
SPECT/CT装置
ラジオアイソトープ(RI)という放射線同位元素を含む薬品を注射することで、特定の臓器や組織に取り込まれます。取り込まれた臓器から放出されるガンマ線を体外から計測することで各臓器の血流状態や代謝機能などを検査できます。
乳房X線撮影装置
乳房X腺撮影(マンモグラフィ)では低エネルギーのX線を用いることで、乳房内の軟組織を描出することが可能です。乳がんの早期発見に有効な検査のひとつで乳房を挟むようにして圧迫し撮影します。
圧迫することで撮影する乳房の厚みが薄くなり、評価しやすい画像を撮影することができます。また被ばく線量も少なくすることが可能です。痛みを伴う検査ですが大事な検査です。
放射線治療装置
5.診療実績
令和2年度実施件数 | |
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放射線治療(延べ) | 2689件 |
一般撮影 | 7914件 |
マンモグラフィ― | 317件 |
透視検査 | 860件 |
血管撮影 | 115件 |
CT | 7560件 |
MRI | 4760件 |
核医学検査 | 443件 |