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ご挨拶

令和7年度を迎えて

独立行政法人国立病院機構     
舞鶴医療センター 院長 法里 高

 平素より当センターの運営に関し、ご支援、ご協力を賜りまして、皆様には厚く御礼申し上げます。日ごとに寒さが和らぎ、春のあたたかな風とともに新年度を迎えました。病院前の桜並木の開花は昨年よりも少し遅かったようですが、例年通り満開の時期を迎えました。

 今年度も当センターは57名の新採用者・異動者を迎え、新たなスタートを切っております。当センターの職員になられた方々には心よりお祝いを申し上げます。これから地域医療を支えていく仲間としてご活躍をお祈りいたします。

 さて、最近の当院を取り巻く地域医療の状況について、触れさせていただきます。昨年度は今後の舞鶴市内の医療提供体制を検討する「舞鶴市医療機能最適化検討会議」において、市内公的4病院の再編・統合を視野に入れた検討が行われています。舞鶴市において持続可能な医療提供体制を構築するために必要な医療は何か?計5回の検討会議の中で、様々な議論が交わされました。この地域での問題点は医療機能の分散による非効率な医療提供体制であります。それを解決していくためには、病院の機能再編・統合を行うことにより、医療機能を集中させることが有効であり、検討会議でも意見の一致が見られたところです。このことは、地域の方々への説明会や病院職員説明会、さらには地域医療シンポジウムを通じて医療従事者のみならず一般市民の方々にも広くこの動きについて知って頂き、徐々にその理解が深まってきているように感じています。そして、昨年度の検討会議の取りまとめとして、舞鶴市長、公的4病院長の間で「舞鶴市における持続可能な医療提供体制の実現に向けた協議開始にかかる基本合意書」を締結いたしました。今年度は、より具体的な再編・統合に関する検討が進んでいくものと思われます。いずれにしましても、地域の方々が今後も安心・安全な医療を受けることができるように最善の策を考えていきたいと思います。

 一方で足元を見ますと、病院の運営は非常に難しくなっています。全国的傾向ですが、コロナ後の患者減少や最近の物価高騰も相まって、経営難に陥っている医療機関が増えているとの情報もあります。さらに、地方では少子高齢化の加速により若い世代の人口減少(流出)も目立っており、この地域も例外ではありません。高齢者を支える若い世代の減少が続けば、今後の地域医療を支えていくことになる医療従事者の確保も困難となっていきます。

 しかしながら、地域の医療は日々動いています。私たちはさまざまな課題がある中でもこの地域の医療を支えていく事には何ら変わりはありません。将来の地域医療を見据えながらも、日々の医療活動は地に足をしっかりと付けて継続していきたいと考えています。

 今後も舞鶴市、市内公的4病院、医師会、地域の皆様と協力しながら、この地域の医療を全力で支えていく所存ですので、引き続き、ご指導、ご鞭撻のほど、何卒、よろしくお願い申し上げます。