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ご挨拶

令和6年度を迎えて

独立行政法人国立病院機構     
舞鶴医療センター 院長 法里 高

 日頃より当センターの運営に関し、皆様からご支援、ご協力を賜りまして、厚く御礼申し上げます。日ごとに少しずつ寒さが和らぎ、春の爽やかな風とともに新しい年度となりました。
 病院前の桜並木も例年どおり華麗に色づき、今年は桜満開の時期に、新たに58名の採用・異動者の職員をお迎えし、辞令交付を行うことができました。新たに新社会人となられた皆様、おめでとうございます。当院並びに国立病院機構の職員となられたことを大変うれしく思い、心からお祝いを申し上げます。

 さて、令和6年は元日から能登半島地震という大きな災害が発生しました。石川県内では地震発生から3カ月が経過しようとしている現在でも1万人以上の方が避難所での避難生活を余儀なくされているとのことで、被害に遭われた方には心よりお見舞い申し上げます。

 当地震に関しましては石川県からの国立病院機構に対する医療班派遣要請を受け、当センターからも医療班を派遣することが決定し、1月16日から20日にかけて第1班を、2月3日から2月7日にかけて第2班を派遣し、主に輪島地区の避難所において、避難されている被災者の診察等に従事いたしました。

 道路や電気、水道等のインフラも復旧していない状況の中、活動を完遂してくれた医療班メンバーに対しては、心からその労を労うとともに、当センターが被災地域に対し担うべき一定の役割を果たせたのではないかと考えております。

 また、今回の地震は地域の災害時医療についても備えが必要であると改めて痛感する機会にもなりました。大規模な災害が発生した際には中丹医療圏外からの支援を要請する必要も発生するため、そういった支援の受入体制についても整備する必要があります。

 それらの取組の一環として、令和6年1月31日付で舞鶴市と公的4病院で「災害時等における舞鶴市及び公的病院の相互連携に関する覚書」が締結されました。この覚書は舞鶴市と公的4病院が互いに協力し、傷病者・負傷者に対し医療を提供することについて取り決めを行ったもので、当センターとしましても市民の方々が安心して暮らせるよう、関係各所と連携を強化し、災害時における医療の提供体制の整備に取り組んで参ります。

 地域の医療提供体制に関する内容でもう1点、令和6年1月21日に舞鶴地域医療シンポジウムが開催されたことについても触れさせていただきます。当シンポジウムは医療現場の現状や、地域医療に関する取り組みを市民の皆さんにお伝えし、舞鶴の医療を支える医療従事者とともに、地域の医療提供体制について考えていただく機会にすることを目的として開催されました。中身としては昨年5月に発足した市長・公的4病院長・医師会長を構成員とした『持続可能な地域医療を考える会』にて議論してきた内容の中間報告及び、公的4病院長、医師会長に京都府立大学センター長を加えたメンバーでパネルディスカッションを行うというものでした。250名と多くの市民にご参加いただき、多数の直接の質問をお受けする中で、市民の方々の地域医療に対する関心の高さを改めて認識し、身の引き締まる思いをいたしました。また、舞鶴の医療を持続可能なものとするため、地域の方々に協力を呼びかける良い機会にもなったのではと考えています。

 今後も舞鶴市、公的病院、医師会、市民の方々と協力しながら、自助、共助、公助のあらゆる手段を模索し、人材不足、救急医療体制、経営課題等の改善に職員一丸となって取組み、地域医療を全力で支えていく所存ですので、引き続き、ご指導、ご鞭撻の程、よろしくお願い申し上げます。